0002:西脇順三郎『あんどろめだ』

1955年トリトン社 限定500部のうち191番 225x140mm 101p.

やや経年ヤケ。書き込み等無し。

1万円

 

1冊まるごと一続きの散文詩。『サ・トマス・モオアの父は三度結婚した、それから云つた。結婚は丁度一つの袋の中に二十匹の蛇と一匹のウナギを入れて、その袋の中に手をつつこんでその一匹のウナギをつかむ様なものでなかなかうまく行かぬ。』等々詩情にもにユーモアにもあふれている。

0003:西村眞琴『凡人經』

昭和10年 書物展望社 限定500部のうち380番 268x200mm 200p. 函入り

パラフィン紙で保護 見返しに蔵書印

1万2千円

 

著者の西村眞琴は日本最初のロボットといわれる「學天則」を造った人。母親が80歳になった記念にこの本を出したという。内容は嘘やら真やら判別のつきづらい話のオンパレード。二、三小見出しを記すと、「猪をいけどつた女」「ポクポク社のヤボンウノミンさん」「マホメツト直太郎」「阿片の哲學」等々、そそられるものばかり。それに著者のへんな挿絵が添えられている。読んでいると、どこまで本気なのかよくわからなくなってくるが、おそらく全部本気なのだろう。パイオニアと呼ばれる人は、どこからしら常人とは違っているようだ。題辞は徳富蘇峰が書き、序文を島崎藤村が寄せている。

0004:西脇順三郎、池田満寿夫『traveller's joy』

1974年南天子画廊 限定780部のうち493番 225x177mm 38p.

10万円

 

見返しに池田満寿夫のサイン入り。全体にややクスミ。カバー上縁にキズ。書き込み無し。和訳パンフレット(全編英語のため)有り。

 

西脇順三郎と池田満寿夫のコラボレーション。英語の詩の雰囲気に池田満寿夫の版画がぴったりで、手にしているだけでうれしくなる。「お宝」というより、素直に「宝」と呼びたくなる本。

0005:野間宏『サルトル論』

昭和43年河出書房 初版 198x142mm 368p. 見返しに署名(江川卓氏宛献呈)

全体にやや経年ヤケがみられます。

3800円

 

ロシア文学者江川卓氏に献呈された書籍です。

構造主義の登場に酔ってサルトルは過去の人になった、かのように語る人もいましたが(実際レヴィ=ストロースとの論争はやや分が悪い印象)、グローバリゼーションというやつが容赦なく押し寄せてくると、もういっぺん自己の存在について、つまりは実存について問い直してみよう、という人が出てくるんじゃないかなあ、と考えています。

本書のキモは欲望と労働の問題だと思うんですが、とりあえず金のある人はそれらを「問題」と考える意識に背を向けることができるけれど、貧乏人は常にその「問題」に直面させられますからね。否応無く。

0006:戦前期官僚制研究会編/秦郁彦著『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』

1981年東京大学出版会 277x198mm 770p.

函にキズ有り。本体やや経年ヤケ。書き込みなどはありません。

3万円

 

目次を記載します。

第1部 主要官僚の履歴

第2部 主要官僚の任免変遷

第3部 高等試験合格者一覧

第4部 制度・組織の解説

 

0007:『関白内大臣家歌合』原装複製 昭和51年ほるぷ出版 限定第2153番 298x90x73mm 木箱入り 解説文付き 本体は未開封

5万円

 

今は亡きほるぷ出版で作られたもの。かなりてのこんだ複製です。刊行時の定価は8万5千円(税抜き)でした。

0008:寺島良安『倭漢三才圖會』 明治31〜35年版 265x190mm 全五巻揃

経年ヤケ。赤鉛筆ライン多少有り。

 2万円

 

いわずと知れた江戸時代の百科事典。読み下し文はなく、東洋文庫より原型に近くなっています。

 

0009:拾遺『都名所圖繪』大正4年昌文館書店 230x153mm 上中下3巻揃 和綴本

5千円

 

原本の雰囲気を保ちつつ、活字で印刷して読みやすくしたもの。

0010:復刻版『よはひ草』 昭和46年ライオン歯磨 220x155x84mm 全5巻 平綴じ帙入り

3万円

 

昭和6年に小林商店(ライオン歯磨の前身)広告部から刊行されたものの復刻版。歯磨や歯科治療、とにかく歯全般についての資料集。図版も多く、読んで楽しめる。挨拶状付き。

0011:『木曾名所圖會』 文化二年乙丑三月 大阪書林 257x181mm 全7巻(第1巻は乾・坤の2分冊) 和綴 綴じ糸ほつれあり

15万円

 

いわずと知れた名著のオリジナル。第1巻の乾の表紙はやや汚れがありますが、他は虫食いもなく、非常に良好です。

0012:『貴族院要覧(乙)』 昭和16年貴族院事務局 159x119mm 191p. やや経年ヤケとイタミがあります。

5千円

戦前の貴族院のハンドブック。

目次を記録します。

 

議案請願及質問件数表

議案及質問件数表

議案奏上後公布期間概表

帝国議会開院式閉院式勅語及奉答

帝国議会議員選挙及開閉一覧表

両院協議会

国務大臣

議長副議長及全院委員長

0015:太宰治『風の便り』昭和17年利根書房 初版 188x135mm   292p. カバー有り。全体に経年ヤケ。見返しに判子

3万円

 

このままの形では文庫になっていません。

収録作品

風の便り/新郎/誰/畜犬談/鷗/猿面冠者/律子と貞子/地球圖

装幀 阿部合成

0016:LUXEMBURG,ROSA.-Massenstreik:Partei und Gewerkschaften(ローザ・ルクセンブルグ『大規模ストライキ:党と労働組合』1919,Vulkan-Verlag,Leipzig 220x145mm   94p. paper 全体に経年ヤケ。書き込みはありません。

3千円

 

ローザ・ルクセンブルグがリープクネヒトと一緒に殺された時、印刷されてばらまかれたものではないか、と思われます。

0017:寒川光太郎『明治天皇 近代文明の父』 昭和32年偕成社 8版 188x138mm    328p. カバーイタミ。全体に経年ヤケ。

3千円

 

著者は芥川賞受賞作家。しかし、今はもうほとんど読まれなくなっている。高円寺で古本屋を経営していたことがあるので、出久根達郎氏(こちらは直木賞)の先輩ともいえる。

0018:宮澤賢治『フランドン農学校の豚』 昭和18年東京八雲書店 初版 カバー有り 全体に経年ヤケ

2万円

 

序のあとに編者略歴とあるが、著者略歴のことと思われる。

大正五年三月 岩手県師範学校卒業

大正十年九月 岩手県立花巻高等女学校教諭

昭和十年一月 東京市富士小学校音楽専科教員

昭和十四年四月 大日本青少年団職員

現在 大日本青少年団主事

 

収録作品

耕耘部(はたけ)の時計/風邪の又三郎異稿/或る農学生の日誌/疑獄元兇/ビヂテリアン大祭/税務署長の冒険/フランドン農学校の豚

(もちろん全て旧字旧仮名遣い)

0019:伊達龍城『ファッショの嵐』昭和7年明治図書出版協会 扉・裏見返しに図書館蔵印(消印有り) 裸本 造本イタミ

3千円

 

右派思想家による当時の世界情勢の分析と、最新流行のファシズムについての紹介。ファシズムを批判する振りをしつつ、「私はどちらにも与しない」と前置きして「ファッショか、マルクスか」と無茶な選択を読者に迫り、どちらも嫌だがどちらかといえばファシズム、という結論にもっていく……。当時の思想状況を知るのに最適の一冊。