まだ涙腺がゆるくなかった頃に見て泣いた映画

 うっかりしていたが、2月7日は小川紳介の20回忌だったそうだ。

 初めて『ニッポン国古屋敷村』を見たときのことを思い出した。

 長い長い映画を見終わって、夜の六本木から渋谷を経由して帰る時、

 (幽霊になって街を歩いたら、こんな気持ちになるのだろうか)

 と、ふと思ったこと。

 そして、部屋に戻って独りになると、涙が止まらなくなったこと。

 それから布団を敷いて、歯も磨かずに寝てしまったこと。

 

 その後古屋敷村はなんどかロケに使われ、一時期観光地にもなったが、今はさびれつつあるという。