外国語を学ぶのはやっぱり無駄ではないという話

 以前「英語は世界中で通じるようになるんだから、英語が喋れれば外国語なんか学ぶのは無駄」という、サマーズ元財務長官のありがたーいご託宣について書いてみたことがありましたが、今回はそれと別な流れの記事を立て続けに見かけたのでご紹介。

 

The State of the Anglosphere

http://www.city-journal.org/2012/22_1_anglosphere.html

スピーカーの人数でなく、GDPで比較してたりします。

で、英語の影響力は徐々に低下している、と。やはり中国の台頭は無視できないようですね。


WHICH IS THE BEST LANGUAGE TO LEARN?

http://moreintelligentlife.com/content/ideas/robert-lane-greene/which-best-language-learn

やっぱり外国語ができた方がいろいろとお得だよ、と。

SPANISH IS THE BEST LANGUAGE

http://moreintelligentlife.com/content/ideas/spanish-best-language

とりあえずスペイン語なんかいいんでない?

 

 上の記事を読むと、文学、とりわけ詩のたぐいは、できれば原語で読んだ方がいい、と英語圏の方々も考えてはいるようです。

 でもなんだか、翻訳は無意味みたいな風にも読み取れて、それはそれでなんだか微妙な感じがしないでもありません。

 

 日本語なんて、ほとんど翻訳でできてるような言葉ですけどね。

 その昔は漢文を翻訳した言葉で作られましたし、明治以後の言文一致体は、二葉亭四迷がまずロシア語で書いてそれを翻訳する、という形で完成させました。最近だと、村上春樹が「翻訳文」だって言われてますね。

 「翻訳で失われるのが『詩』なら、翻訳によって加わるものも『詩』だ」というふうなことを谷川俊太郎がどこかで書いてたと思いましたが、残念ながらぼんやりとしか記憶してません。

 

 さて、ついでなので、俳句の名訳を。

 This straight road, full of loneliness.

 「まっすぐな道でさみしい」

 種田山頭火ですね。なんでもちょっと前は教科書にも載ってたそうで、山頭火のアメリカでの知名度は芭蕉よりも上なんだとか。

 向こうの記事で“full of loneliness”という言成句を見かけたら、確実に山頭火から引用されたものなわけです。

 「さみしい」と一言で言われるよりも、“full of loneliness”と翻訳された方がよりわかりやすくなっています。しかもシンプル。

 これぞ名訳と言えましょう。