娘と二人で観た『吉備大臣入唐絵巻』が時空を超越しまくりすぎていた

 昨日(27日)は定休日だったので、娘と二人で上野の国立博物館に行って『ボストン美術館 日本美術の至宝』展を観てきました。

 眼玉は『吉備大臣入唐絵巻』です。

 最近まで毎朝見ていたNHKの『額縁をくぐって物語の中へ』という番組でとりあげられていたので、娘もこの絵だけは熱心に見ておりました。

 さてそのお話は……

 遣唐使でやってきた吉備真備を待っていた唐の役人は、真備をやたら高い楼閣に泊まらせる。そこは鬼が出る楼閣で、泊まったものは鬼に殺されてしまうという。ところがその鬼の正体は昔遣唐使としてやってきて死んだ阿倍仲麻呂だった。仲麻呂は吉備真備にいろいろな知恵や超常的な力を授け、真備は超能力で空を飛び、初見の『文選』を読みこなし、やったこともない囲碁を一晩で習得して名人に勝利し、唐の皇帝をびっくり仰天させます。まあ今でいうと「チート」ってやつですか。

 この物語が成立したのは後白河法皇の頃で、もう「吉備真備」ていったら、すげー頭が良くて遣唐使で向こうの役人をびっくりさせて日本に囲碁を伝えた、とかなんとかそんな程度の話が伝わってるだけだったんでしょう。だって、絵巻ではすでに死んで鬼になってる阿倍仲麻呂って、吉備真備と同じ船で唐に渡ったはずなんですから……

 話が真備2回目の入唐のことなんだとしても、その時仲麻呂はまだ生きてて真備と再会しています。それを鬼にしちゃうとか、ひどいですよね。なんか仲麻呂に怨みでもあんのか。

 中世の説話に整合性を求めても空しいだけだ、ってのは重々承知してはおりますが。

 

 その後、娘を祖父さんに引き渡して横浜へ行かせ、7時頃帰宅するとネコしかいなかったので、借りていた『蟻の兵隊』というドキュメンタリーのDVDを見ました。

 こっちの方の感想はまた機会があれば。