バッハ・コレギウム・ジャパンの公開リハーサルで突然とんでもないことが!!!!

 と、CM前の衝撃映像番組みたいに始めてみましたが、実際に見たので驚きました。びっくり仰天!!ってわけじゃなくて、なんかじんわり驚きました。

 

 昨日(5日)店に「6時頃戻ります」と貼紙をして、バッハ・コレギウム・ジャパンの公開リハーサルに行ってきました。個人営業の醍醐味ってやつですが、いけませんね、こんなことしてちゃ。サクセスできません。いや、しないつもりじゃないんですが、ついつい。

 曲目は『マタイ受難曲』 往復はがきで申し込んで、当たると無料で聞けます。で、当たったんですから、これに行かずしてどうするか、ってなもんです。

 といっても第一部だけの通し稽古で、団員は全員私服、舞台中央のレチタティーヴォのおっさんは足組んでボルビック飲んだりしてます。空気はゆるゆるですが、本番前日の「通し」(ゲネプロみたいなもんですね)ですから、完成度は高い。学生の頃、ちょっとタイトルは失念しましたが、小規模なクラシックの音楽祭で、とある楽団(また忘れてる。いかんな)のリハを聞いたことがありましたが、そんなのとは全然違いました。

 

 さて、バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏を聴くと、いつも古い家具をなでているような手触りを感じていました。木製の家具の古いのって、木目がすこーし浮き出ているのにすべすべしていて、手で撫でているとその凸凹が気持ちよくてずーっと撫でていたくなりますが、ちょうどそんなような感じ(なんかやらしいな)

 生演奏に触れて、どうやらリコーダーや他の木管の音色に秘密があるように思えました。そう、文字通り「木」管な音色なんですね。

 本当はもっと別の楽器にもいろいろ「秘密」があるのでしょうが、音痴の私にわかるのはこの程度、ってことで勘弁してください。

 

 で、ハプニングは演奏の終り近くに出来しました。

 突然、会場にケータイの呼び出し音が……

 しかし、演奏は止まることなく、よどむことなく、続いていきます。観客もざわつきもせずに聞いています。

 とつぜん、バイオリン(おそらく第2)のはじっこに座ってたおばさんが、足元のバッグを持って舞台袖に引っ込んでしまいました。

 そう、鳴ってたケータイは観客のものではなく、演奏者のものだったんです。

 10秒と立たずにくだんのおばさんは再登場し、また演奏に加わりました。

 その間、本当に、まったく、何事もなかったように演奏は進み、そして終了しました。

 その後の指揮者の挨拶で少し触れるのかな、と思いましたが、全然、まったく、見事なまでに華麗にスルーしてました。

 そして観客も微塵の動揺もなく拍手し、ただ感嘆のみを口にしながら席をあとにしました。

 少なくとも私の周囲では、ケータイについて話す声はありませんでした。

 

 そりゃ別に「リハーサル」なんですから、こういうハプニングも味のうちだとは思いますけど、なんで誰も口にしないの?

 たまたま妻に仕事が入って一人だったんですが、もし一緒だったら「鳴ったよねー」と話題にしたでしょうし、いやそれ以前に舞台でケータイが鳴った時点でお互いに顔を見合わせたでしょう。

 そんなわけで、消化不良になってしまったので、今ここで書いています。

 演奏中のハプニングよりも、観客の大人たち(私も一応大人ですが)のスルーっぷりの方に驚かされた次第。こわいよ。なんかこわいよ。

 ちなみに、渡されたプログラムにはちゃんと「演奏の録音・ホール内での携帯電話の使用は演奏の妨げとなるためご遠慮下さい」と注意されていました。

 

バッハ:マタイ受難曲 全曲