オーケストラの前で棒を振ってる人はらくちんでいいなと子供の頃思っていました

 なぜ、オーケストラには指揮者が必要なのでしょうか?

 オルフェウス室内管弦楽団 という例外もありますが、まだまだ少数派です。

 では、指揮者がいないと、各演奏者がどのように考えるか見てみましょう。

 

 金管:木管死ね

 木管:弦死ね

 弦楽器:打楽器死ね

 打楽器:金管死ね

 

 そこに指揮者が加わると、こうなります

 

 金管:指揮者死ね

 木管:指揮者死ね

 弦楽器:指揮者死ね

 打楽器:指揮者死ね

 

 ……と、このようにオーケストラの意思が統一されるわけです。

 けっこう古いジョークなんですが、実際にマーラーはブダペストで指揮者やってた時、楽団員二名から決闘の申し込みを受けて逃げ回りました。

 指揮者やるのも命がけですね。

 といっても演奏の評判は上々で、マーラーが常任になってから大入り満員だったんですけどね。だからよけいに腹立った、てのもあるかもしれません。

 

 指揮者の仕事というのは「リハーサルで9割方終ってる」(カール・ベーム )もんだから、本番ではいなくてもいいんじゃないか、なんて人もいます。

 が、そういうわけにはいきません。

 たとえば有名なラヴェルの『ボレロ』ですが、ずーーっと同じテンポなんだからメトロノーム置いときゃいいだろ、ってわけにいかないんです。

 ずーーーっとインテンポでやってると、人間の耳ってのは同じテンポに飽きてきて、どうしても後半が間延びして聞こえちゃうんですね。それを防ぐために、テンポを崩さないないようにして、「じわっ」と圧縮してやる必要がでてきます。この「じわっ」が指揮者がいないと上手くいかないんだそうです。

 機会があったら一度聞いてみてください。