レイ・ブラッドベリの本が完全に焚かれてしまった

 レイ・ブラッドベリが死んだ。91歳。

 数年前、マイケル・ムーアの『華氏911』のタイトルにクレームをつけていて、やはり老いては麒麟も、と少しがっかりした。

 代表作の『華氏451度』では、書物の所有が禁じられ、読書が罪とされる社会を描いた。ブラッドベリは国家による検閲よりも、テレビやラジオによる文化破壊を念頭に置いていたという。今でいうならインターネットか。

 で、こんな記事がある。

 

【レイ・ブラッドベリ(91)ついに『華氏451度』の電子化を許可】

ttp://jp.techcrunch.com/archives/techcrunch-com20111130ray-bradbury-finally-oks-digital-version-of-fahrenheit-451/

 

>91歳になるSFの巨匠、レイ・ブラッドベリはSimon & Schusterに対して著作、なかでも華氏451度のデジタタル化を許諾した。ブラッドベリはこれまでインターネットは「よくて邪魔もの」だとしていた。 そのためeリーダーへの搭載を拒んでいた。

新しい電子書籍は9ドル99セントでKindleとNookに提供される。

2009年のNewYorkTimesのインタビューでブラッドベリはeリーダーを「石油を燃やした匂いがする」とけなしていた。

「2ヶ月ほど前に、Yahooが電話してきてたが、」と彼は声を張り上げた。「私の本をYahoo! に掲載したいというんだ。そこで何と答えたと思う? 失せやがれ、Yahoo!もインターネットも地獄へ落ちてしまえ、と言ってやった」

とはいえ、インターネットのおかげでもはやどんな権力者も本を検閲したり焚いたりすることはできなくなったのだが。

 

 

 

……ブラッドベリが死の間際、いかなる理由によって変節したかはわからない。

 しかし、電子化された『華氏451度』をディスプレイて読むことに何の意味があるだろう?読者にどれほどの感動を与えられるだろう?

 少なくとも『華氏451度』という本については、電子化されることで完全に『焚かれた』と見るべきだ。

 

 R.I.P.