漢字の怪物白川静についてほんの少しメモ

○「司馬遷の最大傑作と推奨してやまない人もあるが、この一篇は『史記』のうちでも最も杜撰なもので、他の世家や列伝・年表などとも、年代記的なことや事実関係で一致しないところが非常に多い」(『この一篇』とは史記の『孔子世家』)

「孔子の世系についての『史記』などにしるす物語は、すべて虚構である」

 

○立命館大学で中国学を研究されるS教授の研究室は紛争の全期間中、それまでと全く同様、午後十一時まで煌々と電気がついていた。ある事件でS教授が学生に鉄パイプで頭を殴られた翌日も、やはり研究室には夜遅くまで蛍光がともった。対立する学生たちが深夜の校庭に陣取るとき、そのたった一つの部屋の窓明かりが気になって仕方がない。その教授は元々多弁の人ではなく、また学生たちの諸党派のどれかに共感的な人でもない。しかし、団交に出席すれば、一瞬、雰囲気が変わるという。無言の、しかし確かに存在する学問の威厳を学生が感じてしまうからだ。(高橋和己『わが解体』、文中S教授は白川静)

 

○「殴られたのではない。殴られかけて逃げたというのが真相だ」と自身による述懐。

 

○高橋和己は当時立命館大学講師。吉川幸次郎が推薦した四人の学生のうちから、白川静が「最優秀」として採用した。ちなみに、SF作家小松左京と親友だった。

 

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コメント: 2
  • #1

    おくむら (火曜日, 15 7月 2014 20:11)

    白川さんの大好きなエピソードです。
    ありがとうございます

  • #2

    koshohirakiya (水曜日, 16 7月 2014 14:03)

    コメントありがとうございます。
    私も大好きであります。