えーっと、こんなのがあったんでご紹介です。
【電子書籍時代に出版社は必要か】
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1208/23/news061.html
誰からも必要とされる「本」なんて存在しませんよ。同時に出版社も。
食料や住居や衣類は誰もが必要としますけどね。
長い割にはどっかで聞いたような話ばかりなんですが、いしかわじゅんというマンガ家が
>>「俺ね、1回も編集者の言うことなんか聞いたことないよ」「大学出た若造が、何で俺の漫画直せるんだ」
と言ってるって話は得心が行きました。
「ああ、だからいしかわじゅんのマンガって、とてつもなくつまらないんだなー」と。
えーっと、またどっから話せばいいのかってんですが、「文学」がなぜ衰退したかというと、端的につまんなくなったからですね。で、なんでつまんなくなったかというと、作家がぜーんぶ一人で考えて書くようになったからです。
昔の作家ってのは、とにかく文学について話合ったし語り合ったし、とにかく他人の意見が嫌でも耳に入ってきました。耳を塞いでも編集を通して。
そうしないと、いいものを創ることは出来ない、とわかっていたからです。
だから作家は「弟子をとる」こともしました。
佐藤春夫なんか、「のべ三千人ほど面倒見た」と豪語しています。
これをやんなくなったのが、だいたい「第三の新人」くらいからですね。
作家の「個性」がもてはやされ、孤高の「文学」が成立し出した頃から、どんどん「文学」は衰退します。いや、文学に限らず小説全般かな。それだとさすがに言い過ぎか。
で、マンガの隆盛があるのは、マンガはわかりやすからってだけじゃありません。
マンガ家というのはごく一部をのぞいて、アシスタントを雇いますね。
「アシスタントの感想なんか聞いたことも無い」というマンガ家もいるでしょうが、つまんない作品の手伝いをしていれば、しゃべらなくてもアシスタントが内心「つまんねーな」と思ってることなんか、それとなくその場の空気で伝わるというものです。
こうして常に複数人で制作しているから、マンガは強いんです。
クリエイティブな仕事というのは、天才的な個人だけにまかせているとたちまち陳腐化するし、量が足らなくなります。
それに「天才」の作品って、同時代的にはそんなに売れないし。
だから他人の意見を聞くのは、どんなに不満であっても必要なんです。つまるところ「モノを創る」ということは、「文句を言われる」ことでもあるんですから。
なので上掲のパネデの中で……
>>赤松 さっき「バクマン」がどうとか直しがどうって言いましたけど、「バクマン」とかさっき三田先生もおっしゃってた その形は、作家としてわりと古い価値観なんですよ。今若い人たちは、pixivで、無料で描いて、褒めてもらえるだけで十分、もしくは、同人で、編集者の 直し無しで、自由に書ける作品をね。しかも、自分プロデュースだから凄い儲かると。こういうので、客が5000人並んでるのを見て、ああ、励みになるなと いうのが今の若い作家です。
こういうのを読むと、「ああ、マンガも長くないな」と思ってしまいます。
まだ代替品が出てきてないし、こういう流れが主流になってないから続いてるだけで。
もし本格的に電子書籍の時代がやってきたら、マンガは衰退するような気がしますね。
まだまだ言いたいことはありますが、それはまたの機会に。
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