21世紀の日常

 6時に起床して朝食を作りコーヒーを入れて娘を学校へと送り出す。

 熱帯夜で良く眠れなかったので、9時ごろまでうとうとする。そのあとに外出。

 空にはたくさんの雲がうかんでいる。巨大なガラスのボウルの上にモチをちぎってばらまいたのを下から見ているようだ。いつか空がひび割れて落ちてこないかという、原義通りの杞憂を抱く。

 図書館に行って本を返して本を借りる。

 今日も暑いので朝から図書館はにぎわっている。イスに座ってヒザに本を置いたまま眠る人たちは、どこかの空間からか、横着者が帽子掛けに帽子を投げるようにぽんと投げ込まれ、そこにすぽんとはまり込んでいるように収まっている。

 外に出るとまだ十時だというのに、うだるように暑い。湿りけをふくんで重くなった空気の中を泳ぐようにして酒屋にたどり着く。入り口近くで、「お暑いですね」と見知らぬ通りすがりのおばさんに声をかけられる。「そうですね」とぎこちなく笑って店に入る。

 いつもように豆乳を三袋買う。ビニール袋に無造作に詰め込まれているせいか安い。ゆずぽん酢も安いので一緒に買う。酒は買わない。さすがに朝から飲もうとは思わない。

 しかし酒屋を出て歩いていると、なんだかビールが飲みたくなってきて困る。でもがまんする。

 パルコの地下で鳥皮を買う。ズッキーニと炒めるためだ。魚屋で鯛のあらも買う。煮汁をそうめんにかけるためだ。

 西友でプチトマトとネギとトウモロコシ二本と牛乳三本とジップロックの小さい方を買う。

 ちょっと買いすぎたかな、と後悔しつつ、汗だくになりながら電通大の中を通る。

 掲示板に、大学職員の給与をいきなり下げることに反対する、というポスターが貼られている。同じ掲示板に三枚も貼ってある。貼られているのはそれだけだ。

 

 帰宅すると妻がテレビを見ながら仕事をしている。テレビにはニュースが流れている。先ほど電通大で見た貼紙に関わることと思われる、大学への交付金を削る話をしている。

 買ってきたものを整理して冷蔵庫に入れる。鳥皮は四つに分け、三つを冷凍庫に入れる。一つはこのあとすぐにズッキーニと炒めるのだ。

 夕方に娘が食べられるようにトウモロコシをゆでる。塩ゆでにせず、熱が通ったらすかさず耐熱ラップに置いて塩を振りまいてくるむ。このほうが旨味が逃げない。

 テレビでは大阪の市長が映っている。見るたびに、吉田戦車の描くマンガに出てきそうなフォルムだな、と思う。あの大きくふくらんだ頭は実はかぶり物で、ぬぐと中から別な人が出てくるんじゃないか、とも思う。ココ山岡の社長とか、風船おじさんとか、タマちゃんとか。

 玄米を圧力鍋で二合炊いて、鳥皮とズッキーニを簡単に炒めたものをおかずにして妻と昼食にする。「笑っていいとも」に髪と手足の長い作り物めいた女性が出ている。きっと新宿御苑の地下辺りに腕のいい職人がいて、こういう逸品ものを石灰岩のかたまりから削り出しているのだろう、と妄想する。

 

 食べたあと店に出かける。店に着いた後で、コーヒーを入れた水筒を忘れたことに気づく。家に少し電話して、ネットをチェックしてから、なんとなくブログを書く。