だから本は太古の昔から何度も何度も何度も何度も焚かれきたんだってばについてほんの少しのメモ

○太平洋戦争末期、日比谷図書館は蔵書約四十万冊を「疎開」させた。

疎開先は多西村(現あきる野市)と志木市である。多西村には千代田図書館からも内田嘉吉文庫一万六千冊が移されている。

東京大空襲により図書館は燒亡したが、これらの書籍は無事に残った。

 

○第一次大戦でドイツ軍が焼いたルーヴァン図書館の復興に奔走したのは、ドイツ人リヒャルト・エーラーだった。

エーラーは第二次大戦を前にすすんでナチス党員となった。

しかし、大戦によりふたたびルーヴァン図書館はドイツ軍に焼かれた。エーラーはゲッベルスに申し出てもう一度図書館を再興しようとするが、戦時の混乱とナチスへの敵視から近辺に立ち入ることすらできなくなっていた。

ちなみに、リヒャルト・エーラーはニーチェの従兄弟に当たる。

 

○焚書といえば、わたしは全国の図書館員に心からの感謝を捧げたいと思う。それは彼らが力持ちでもなく、強力な政治的コネも莫大な財産も持ってない にもかかわらず、図書館の棚からある種の本を追放しようとする非民主的で横暴な連中に断固として抵抗し、ある種の本を借りた利用者のリストを思想警察の手 に渡らないように破棄してくれたからだ。

 わたしの愛するアメリカはまだここにある。それはホワイト・ハウスでも最高裁判所でも、上院でも下院でもメディアでもない。わたしの愛するアメリカは、公共図書館の受付にまだ存在しているのだ。

(カート・ヴォネガット)

 

 

 

カート・ヴォネガット (現代作家ガイド)