書物が襲われるときと襲われないとき

 アルジェリアの事件もあり、もはや他人事と言えないマリ情勢ですが、こんなニュースが飛び込んできました。

 

マリ古文書救出:2万5000点粉ミルクや米の袋で隠し

http://mainichi.jp/select/news/20130202k0000m030189000c.html

>マイガ所長によると救出作戦は昨年7〜10月に実施した。バマコに避難していた研究所員らが約1200キロ離れたトンブクトゥに潜入。街中をパトロールする過激派戦闘員の目を避けながら、深夜などに研究所から徐々に文書を回収した。

 

>古文書は衣装箱に入れ、複数回に分けてバマコ行きのバスやトラックで運んだという。移送には、トンブクトゥとバマコの間でさまざまな商品を取引する交易商 人の助けを借りた。商人は文書入り衣装箱の上に、粉ミルクや米の袋など実際の取引商品を載せてカムフラージュした。到着を待ち構えた研究所員らがバマコで 受け取った。

 

世界遺産トンブクトゥの古文書、大半が無事

http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2924859/10192974?ctm_campaign=txt_topics

 

>貴重な古文書や書物の大半は昨年、武装勢力に街が制圧された時点で秘密裏に安全な場所へ移動させられていたことを1月30日、学芸員たちが明らかにした。

 

トンブクトゥ、貴重な古文書も被害

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20130130003

 

>トンブクトゥを拠点に活動する記者で、最近マリの首都バマコに避難してきたシディ・アハメド氏は28日、世界的に知られるマンマ・ハイダラ(Mamma Haidera)図書館やフォンド・カティ(Fondo Kati)図書館をはじめ、ほとんどすべての図書館は、イスラム武装勢力が町を占拠する前に収蔵品を隠し終えたと語った。

 

 やれやれ、って感じですね。

 トンブクトゥは北アフリカの交通の要衝で、文化と黄金の町と呼ばれたりしました。古代マリ文明はエジプトより先に鉄器を使用してたりします。

 で、これらの記事ではふれられていないんですが、このトンブクトゥの古文書は以前から散逸の危機にさらされていて、IFLA(国際図書館連盟)から散逸を止めるようにアナウンスされてたんです。

 

IFLA、トンブクトゥの手書き資料の保存を求めるアナウンスメントを公表

http://current.ndl.go.jp/node/20639

 

>アフリカの51人の学者と14カ国の図書館長が、トンブクトゥの資料保存を呼び掛ける文書にサインしているとのことです。

 

 実は国際的な動きだったようですね。資金面での連携もあったかと思われます。

 それほどこれらの古文書は貴重なものだった、ということでもあります。

 

 ところで、過激派と暴徒の違いってのは、こういうところの端的に現れますね。

 政治的目的を持って破壊活動を行う過激派は書物を焼こうとしますが、ただの暴徒は本なんか無視します。

 2011年にイギリス各地で起きた暴動では、高級雑貨店や銀行や食料品店などなどが襲撃を受け、多くの建物や自動車に火がかけられました。

 しかし、書店だけはなんの被害もなかったのです。

C1920 トンブクトゥの市場のサハラ砂漠

1901 年の Tombouctou トンブクトゥ葬儀の Klobb のフランス人の印刷物