気候がやや温んでくると、あちこちで手袋が片方ひっかかってるのを目にするようになる。手からはずしてポケットに突っ込んで歩くうちに道に落とし、誰か親切な人が拾って目につくように踏まれないようにひっかけておくわけだ。
ふと気づくと消えているので、おおよそは持ち主の元へ返るのだろう。
こちらは西荻のガード下。三つも落っこちていた。
貼付けたのは近所のお店の人なのだろう。今朝は自転車の鍵も追加されていた。
手袋を片方落としてしまうことは、昔からよくあることだったのだろう。そして、片方残った手袋に、何か不思議な思い入れを感じてしまう、というようなことも。
「てぶくろ」というウクライナの民話がある。
子どもの頃、この話が大好きで、なんどもなんども繰返して読んだ記憶がある。
本来、二つで一つの「働き」をもつものが、その片方を失うというのはあってはならないことであり、そこに悲劇の始まりがあったりもする。
小説なら『悪道日記』の双児。
映画なら、タヴィアーニ兄弟の『グッドモーニング・バビロン』をとりあえず思い出す。
さて、折れた左腕も、そろそろ日常生活に不便は感じない程度にはなって来た。
来月頃には、通院の要もなくなるとのこと、今朝のリハビリでそう診断を受けた。
春には、両腕が動くありがたみを噛みしめることができることだろう。
とりあえず、妻の両脇を同時にくすぐって健在ぶりを確認したいとたくらんでいる。
楽しみたのしみ♪
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