A New world-system?
http://www.eurozine.com/articles/2013-02-08-wallerstein-en.html
イマニュエル・ウォーラーステインのインタビュー。もう八十二歳なんですね。
近代世界システム
1600~1750―重商主義と「ヨーロッパ世界経済」の凝集
近代世界システム〈1〉―農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立
(岩波モダンクラシックス)
近代世界システム〈2〉―農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立
(岩波モダンクラシックス)
入門・世界システム分析
この人の「世界システム」論は一世を風靡しました。どのくらい風靡したかというと、そこら中でパクられまくり、パクったのがまたパクられたりして元ネタがわからんくらいにひろまっちゃってる。
久々に読んだこのインタビューでは、「これからはヨーロッパより、北東アジア(日本と中国と韓国)とアメリカの同盟だよー」みたいに言ってますね。言ったそばから北東アジアのど真ん中で核実験したりしてますが。困ったもんです。
この人は昔、「中国と中東が資本主義化しなかったのは、世界史的に見てとても素晴らしい」というようなことを言ってたと思うんですが(うろおぼえ)、資本主義化しちゃいましたね、中国。こんなだから「西欧中心主義」とか批判されちゃうんでしょうか。私と誕生日を同じくする数少ない有名人なので頑張って欲しいなあ、とか厚かましくも応援してたりするわけです。あ、誕生日が同じな有名人って、あと伊達公子くらいしかいません。孔子は旧暦だし。
閑話休題。こちらはスラヴォイ・ジジェクの記事。
Why the free market fundamentalists think 2013 will be the best year ever
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/feb/17/free-market-fundamentalists-think-2013-best
ジジェクは元々ラカン派の精神分析学者なんですが、最近はもっぱら社会評論ばっかみたいですね。Occupy Wall Streetにもわざわざ出掛けて演説ぶったりしてますし。
Occupy Wall Street: what is to be done next?
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/2012/apr/24/occupy-wall-street-what-is-to-be-done-next
ポストモダンの共産主義
はじめは悲劇として、二度めは笑劇として (ちくま新書)
で、前出のウォーラーステインは「アラブの春」を1968年の「プラハの春」につなげて語ってるんですが、Wall Streetは無視してますね。語るに及ばずってことでしょうか。
そしてジジェクも、Occupy Wall Streetがすっかり下火になったせいか、"Why the free market fundamentalists think 2013 will be the best year ever"では、なんかちょっとヤケ気味な記事になってます。正直「何を言いたいねん、オッサン」な感じ。
んで、「こないだテレビの討論番組でさー、Guy Sormanってフランスの哲学者が『資本主義と民主主義ってセットだよね、ふつー』なんてぬかすから、『じゃ、中国は?』ってつっこんでやったぜ」みたいなことを書いてます。しかし、Guy Sormanて誰や。初めて聞いた。
ズタボロになったはずの資本主義を、今や共産党独裁の中国が支えてるような格好になっちゃってますからね。歴史って、どこまで皮肉なんでしょうか。
ともあれ、中国が資本主義化してたちまち世界第二位にかけあがったのは、ほんとーにとんでもないことだったみたいですね。思想界の巨人の目論みをすっかり狂わせちゃうくらいに。
あと、関係ないようで関係ある話で、今朝NHKBSでKBSのニュース見てたら、韓国は新大統領の元、年金が全国民に行き渡るようにして、ガン等の重大疾病の治療は100%国が面倒見て、富裕層に増税をせまるそうです。なんか、抜かされてない?
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