ああっというまに焚書完了

 なんか、JManga.comとかいうのがサービス終了したそうです。

 日本のマンガ・コンテンツを電子書籍で持って海外展開!なものだったけど、値段の関係とか宣伝不足とかいろいろあってやめることになったとのこと。で、どういうことになったかというと、今まで電子書籍を買ったお客樣方はせっかく購入した「マンガ」をいっさい読めなくなりました。

 え、なんで?と思いますよね。だって、出版社が倒産して社長が愛人と夜逃げしようが、作者が変な宗教にハマってこれまでの自作を全部絶版にしようが、買った本は手元に残るのがあったりまえだのクラッカー(様式美)なはずですから。

 だけどねー、だけどねー、電子書籍はそのクラッじゃなくて常識が通用しないんですよ。

 つまり、読者が買ったのはその書籍をネットで「読む権利」だけなわけ。

 コンテンツそのものは版元ががっちり押さえてるんで、読者の手元にはチリ一つ、データの1bitも残りません。アクセス記録ぐらいは残るのか?よく知らんけど。今回のJMangaの読者(?)の手元には、アマゾンギフトカードが送りつけられておしまいになったそうです。ほんとは何もしなくていい契約になってたけど、やっぱ迷惑料くらいは払うのが人の道ってことらしいですね。きっと今頃、オーマイガッッッて叫んでる人がいっぱいいるんだろうなあと思いますが、これが人の世の常、資本主義の宿命、ネットの世界に生きるもののさだめなのであります。しかし、もうちょっとがんばってれば、クールジャパン予算だかが国からトリクルダウンしてきたかもしんないのに、よっぽど当てが外れたんでしょうな。

 

 似たようなことは以前もあったのでエントリーに書きましたが、前のは不正使用でBANされたんである意味しかたない面もありました。でもこっちは読者には何の責任もないのに、いきなり金払ったものが読めなくなるんですからびっくりですよね。これじゃ、有料コンテンツとかとどこが違うのかわかりゃしない。

 おそらく、こういう形になってるのは、音楽ファイルでの失敗をふまえてのことなのでしょう。購入したデータが手元に残る形にしたら、ああっという間にコピーされて広まっちゃいましたからね。音楽はまだそれがミュージシャンの宣伝になったりしますが、書籍の方は損害がでかいので、データは渡さず手元で管理するようになったのでありましょう。

 

 でもこのやり方、結局大手、てか具体的には南米の密林で働く人たちの思うようにしかならない、ってことですよね。

 もし電子書籍で「自費出版」しても、kindleでばらまこうとしたら密林の方々の指示に従わざるをえないんですから。それって「自費」でする意味あんのか?って話です。

 前にも書いたことですが、「出版」てのは、空き瓶に手紙を入れて海に流したり、風船にメッセージを託して空に飛ばしたり、そういうのと似たような働きがあるんです。あるんですってか、自費出版なんてしようと考える人はたいていそういう「ロマン」を期待しますね。でなきゃ安くない金を払う意味がない。

 

 そういや、「電子書籍革命により、焚書の心配はなくなった!」なんて言ってた人がいましたが、書籍のプロバイダー押さえりゃチリも残さず完璧に消せるわけで、焚く側からしたらこんなラクなことはありませんな。

 

 

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