もしも本を一冊収容所へ持っていくとしたらどんな本を選ぶだろう

「もし無人島へ本を一冊持っていくとしたら、どんな本を選ぶか」

 

…てのは昔から作家へのアンケートの定番だったりしますが、もし行き先が無人島じゃなくて「収容所」だったらどうでしょう。

 日本の刑務所なんかは、けっこう内容によって厳しくはねつけるとききましたが、今でもそうなんでしょうか。

 修業時代、「小菅のアニキんとこへ本を差し入れたいが、何がいいかわからんから選んでくれ」と言われて、宮本輝を数冊おすすめしたことがあります。まあ、これならひっかからんだろうな、と。

 

 

宮本輝「錦繍」 (新潮文庫)

 

 しかし今思えば、無人島と違って閉塞した空間にいるわけですから、もっと広々した世界を感じさせるものが良かったかもしれません。

 で、こんなサイトがあるんですが……

 

Guantanamo prison library books for detainees

http://gitmobooks.tumblr.com/

 

 非道な拷問で有名なサディストのパラダイス、グァンタナモ収容所のライブラリーです。もちろん収容者向け。

 品揃えはなかなか興味深いですね。

 ガルシア・マルケスやパール・バックがあるかと思えば、インディ・ジョーンズやハリー・ポッターがずらりと揃っていたりします。この収容所ってのは、イスラムの過激派が多いと聞いていますが、読んでんですかね、これ。

 だって、ハリー・ポッターは邪教とか言われたりしてるそうですし……

 

「ハリー・ポッターは邪教だ!」 テロ容疑者はイスラム過激派「煽動ビデオ」を見ていた

http://www.j-cast.com/2013/04/21173574.html

 

 それともこれも「拷問」の一環、ってことでしょうか。音読させて感想を書かせたりとか。まさかね。

 ラストの "Too Far from Home" はサイトの作成者が狙って最後に持ってきたんでしょうが、中味は『絶対帰還』という邦題のスペースシャトル事故に題材をとったSFです。

 

絶対帰還。

 

 果たしてこれらの書籍が、どのような過程で、どのような基準でそろえられたのかわかりませんが、一つだけ言えるのは、収容所なんかごめんだ、ってことですね。

 ああ、でも「獄中は読書に最適」なんていう人もいましたっけ。うーん。拷問無し、冷暖房完備ならいいかな。それじゃ図書館と変わらんか。