シリアという遠いとおい国をずーーっと遠くへと押しやるものは

 シリア情勢が別な局面に移りそうだ。

 プーチンが外交で得点したとされるが、実際のところはよくわからない。腕まくりしていた武器商人たちは肩すかしをくったかも知れないが、そこのところもよくわからない。

 ニュースを見てもインターネットを見ても、よくわからない。

「独裁者アサドはシリア国民を虫けらのように殺して恥じない輩だ」

「反政府軍は自分たちに味方しないというだけで政府よりだとレッテルを貼り、一般人を虐殺している」

「毒ガスはアサドの命令でまかれた」

「いや実はアサドの弟がまいた。弟は軍の司令官でアサドは弟をコントロールできていない」

「いやいや化学兵器を所持していたのは反政府軍だ。事故で化学兵器が暴発したのだ」

「いやいやいやアサドに汚名を着せて米軍を呼び込むためにわざと反政府軍が化学兵器をまいたのだ」

「待てまて背後にはイスラエルの陰謀が」

「ちょっと待てその前にハマー虐殺でのムスリム同胞団との因縁について」

 もういいよ。

 たとえ、ネットでシリア人の話を聞けたとしても、いやアサドとメル友になったとしても、よくわからないだろう。

 確かなのは、シリアは化学兵器の管理を国連に委ねることに合意し、それについて反政府軍はいらだち、オバマは「米国史上もっとも不人気な戦争」を避ける口実を見つけ、アサドの眉と頬の下がり具合は日本の首相によく似ている、ということくらいだ。

 

 アラブの春が混沌とするにつれ、中東に対する揶揄めいた論文だのエントリーだのが目につくようになった。

A Religion-Democracy Link?

http://superiorw.blogspot.jp/2013/09/a-religion-democracy-link.html#!/2013/09/a-religion-democracy-link.html

  アラブでの民主主義の欠如について、イスラム教が原因ではないだろう、としている。じゃあ何かというと、イスラム教の寺院が経済を握ってしまってるのが原因なのではないか、と。同じやん。筆者はイスラムの歴史について基本的なことを知らんのか。知ってて知らんフリしてるのか。ムハンマドは元々商人であり、イスラム教が中東で爆発的に「成功」したのは経済をまず握ったからだ。それをまねたのがキリスト教の教会でしょ。特にプロテスタント。ルターは宗教改革のためにオスマン=トルコの協力を仰ごうとすらしたんでっせ。(いかん、関西弁になってる)

 

Cousin Marriage and Democracy

http://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2013/04/cousin-marriage-and-democracy.html

 どこまで本気で書いてんのか判らんが、イトコ同士の結婚が多いから中東は民主化できないんじゃないの?みたいな話。

 じゃあ、イトコ同士が忌避されるようになったら民主化すんのかい。

 中国はギリシャより昔から「同姓不婚」だったぞ。古代中国は民主主義だったのか?

 

 そんなわけで、ナチュラルな色眼鏡で中東を見ている連中が情報をまきちらすもんだから、余計にわからなくなってしまうのだった。

 どう対処すればいいのか、やはり今はわからない。

 

シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)